MD法案衆院通過に抗議!
パトリオットPAC3部隊配置
反対の要請書


 杉原浩司(「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン2005」・・・正式には7月14日に発足)です。

 ご存知の通り、6月14日に「文民統制」破壊のMD迎撃「簡素化」法=自衛隊法改悪案を含む「防衛庁設置法等に関する改正案」(三軍統合運用なども盛り込まれています)が衆議院を通過してしまいました。安全保障委員会傍聴や委員への要請行動、ファックスによる働きかけなど最低限のことしか取り組めず、目立ったアクションは起こせませんでした。私は「戦争保障委員会」と名付けたのですが、新旧・与野党にまたがる国防族が実権を握る委員会(社共は不在)はまるでぶ厚い岩盤のようなものです。ただ本当にささやかながら、私たちの主張の核心の一つである「MD=先制攻撃促進装置」という批判が、一瞬ですが審議の中で論点になりました(5月12日の質疑。大野防衛庁長官は答弁を避けました)。

 本来、通過に対する抗議声明くらいは発するべきなのですが、準備できませんでした。ですので、さる6月11日に「6・19横田基地行動実行委員会」によって取り組まれた府中基地への申し入れ行動の際、実行委の方に代読・提出していただいたパトリオットPAC3部隊配置反対の要請書を、衆院通過への抗議の意志を込めて紹介させてください。

 参議院での審議日程は未定ですが、できれば国会デモや院内集会などの取り組みを検討したいと考えています。決まればまたお知らせします。
          杉原浩司   kojis@agate.plala.or.jp

※以下、転送・転載・紹介を歓迎します。


[要請書]航空自衛隊府中基地・航空総隊司令官様

●府中を先制攻撃拠点にするパトリオット(PAC3)部隊の配置に反対!
●ミサイル防衛の導入と日米統合作戦センター設置に反対!


 米軍再配置と一体化した自衛隊大再編の波が、府中基地にも及びつつあります。防衛庁が、全国の戦闘機部隊を束ねる空自航空総隊司令部を府中基地から米軍横田基地に移転させた後、府中に地対空ミサイル「パトリオット」(PAC3)部隊を配置ないしは展開させることを検討中との報道がなされています。ミサイル防衛システムの迎撃ミサイル発射基地の一つとして、「首都防空の要」の役割を担うとともに、「軍事的な指揮・中枢拠点」となる再編後の横田や座間の防御をも見据えた措置と言われています。

 その大前提となっているミサイル防衛(以下、MD)導入に反対し続けてきた私たちは、今回の基地再編に真正面から大きな声で反対します。何よりも、MDとは「防衛」とは名ばかりの、極めて攻撃的な軍事システムに他ならないからです。日本政府が「国民の生命・財産を守るための純粋に防御的な、かつ、他に代替手段のない唯一の手段」(2003年12月19日)と、形容詞をしつこく重ねて導入を正当化したのは、背反する本質を隠ぺいしたことの表れです。

 日本政府は、米国がイラク侵攻で実践した先制攻撃(=侵略戦争)戦略を公然と支持、加担し、その軍事拠点を破格の条件で提供するばかりか、イラク派兵や先制攻撃兵器「JDAM」導入に見られるように、自衛隊を米軍と一体化しながらの「攻撃・外征」軍へと変貌させつつあります。仮想敵とされる国の人々から見たとき、MDが前提としている「ミサイル攻撃の被害者」としての日本像は、何ら説得力を持たない陳腐なフィクションに過ぎません。

 「ミサイル迎撃」名目で武力行使権限を自衛隊指揮官(航空総隊司令またはイージス艦長)に丸投げし、「文民統制」を骨抜きにする自衛隊法改悪案の国会審議(5月12日、衆議院安全保障委員会)で、大野功統防衛庁長官は「MDは米軍の先制攻撃への反撃としてのミサイルを迎撃するためのものであり、純粋防衛とは言えないのではないか」との質問に対し、「大変絡み合った複雑な問題」として答弁を避けました。

 問題は極めて単純です。1980年5月に軍事独裁政権に対して立ち上がった多くの人々が虐殺された民衆抗争25周年の地、韓国・光州ではこの5月15日(沖縄・普天間基地を包囲する「人間の鎖」が行われた日)、米軍のパトリオット基地閉鎖を求めて人々が基地を包囲し、1キロにわたってその鉄条網をなぎ倒しました。「民衆の血で建設した光州が米国の先制攻撃のための戦略基地になっている」との叫びは、パトリオットミサイル、MDシステムの本質を鋭く突くものです。MDは、先制攻撃の敷居を下げることで東北アジアに核・ミサイル軍拡の連鎖をもたらし、軍需産業に絶えざる利益を提供し、憲法九条に基づく諸原則(武器輸出禁止三原則、集団的自衛権不行使など)を破壊するばかりか、米国の宇宙への兵器配備=スターウォーズ計画にも直結する百害あって一利なしの兵器システムです。必要なのはミサイル防衛ではなくミサイル軍縮です。

 私たちは航空総隊司令のみならず府中市民にも訴えます。PAC3配備で府中基地を「先制攻撃のための戦略基地」にしてはなりません。併せて、MDの日米共同作戦司令部となる横田基地の「日米統合作戦センター」を構成することになる航空総隊司令部の移転にも強く反対します。憲法九条の非武装理念の実現こそを求める私たちは、府中基地を含む全ての自衛隊基地、及び在日米軍基地の完全撤去を求めて取り組みを続けます。

  2005年6月11日 核とミサイル防衛にNO!キャンペーン2005
              [連絡先](TEL・FAX)03-5711-6478


活動記録(Action)へ

サイト・マップ(Site-Map)へ

トップページへ