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【声明】

日米軍事同盟をブラックボックス化し、
 共同軍事作戦に道を開く
GSOMIA(軍事秘密保全協定)
締結に反対する

 日米両政府は5月1日の日米安保協議委員会(2プラス2)において、軍事秘密保全の包括的取り決めである「軍事秘密一般保全協定」(GSOMIA=ジーソミア)の締結で実質合意した。同時にミサイル防衛(MD)をはじめとする軍事情報共有を拡大するための「情報共有ロードマップ」策定やMD配備の前倒しでも合意した。私たちは、日米軍事再編に密接に連動した今回の「合意」に強く抗議し、その撤回を要求する。
 久間章生防衛大臣が旗振り役となってきたGSOMIAは、秘密保護のヴェールを日本全土にかぶせ、あらゆる軍事分野と全ての伝達手段を対象としている。推進派ブレーンが「この協定の締結には、原則として集団的自衛権の行使に踏み切り、わが国が米国との共同軍事作戦を行う決断が前提となる」(松村昌廣『軍事情報戦略と日米同盟』)と率直に表明するように、GSOMIAとは本来、憲法9条を改定しない限りその締結が不可能な"違憲協定"なのだ。
 それは憲法に保障された「知る権利」を公然と侵害し、弾圧立法である「国家秘密法」(スパイ防止法)制定の呼び水にもなりかねない。既に自民党は秘密保護法案の08年通常国会への提出を目指している。政府も日本版「国家安全保障会議」創設を柱とする報告書において、秘密保護法制定を打ち出した。「秘密保全と情報公開は一体であり、スパイ防止法は民主主義の政治制度に不可欠」(松村)との論法は悪質なまやかしだ。
 GSOMIAはまた、軍需産業の利害を背景に推進されている。締結により、高い機密性を根拠に米国に持ち帰っていた米軍イージス艦や戦闘機などの中枢部品=「ブラックボックス」の修理が日本の軍需産業に開放される。三菱重工や三菱電機などに新たな利権が転がり込み、日米軍需産業の緊密化が一層進行する。同時に、日本がアジア太平洋における米軍の新たな修理拠点となり、米軍の緊急展開能力が強化される。
 GSOMIAは「日米でお互いに自国のはらわたまでも見せ合うことが必要。NATOでもそこまではしていない」(大古和雄)という防衛官僚のグロテスクな言葉を実質化させる。そして、武器輸出三原則の全面解除や経済基盤の軍事化、次世代イージス艦(CGX)の日米共同開発など「新アーミテージ報告」附属文書が列挙する露骨な対日軍事要求の完全な実行にも道を開く。
 私たちは、日米軍事同盟をブラックボックス化し、新たな軍事利権を生み出し、米軍の先制攻撃態勢を強めるGSOMIA締結を許さない。必要なのは秘密保全ではなく、軍事秘密のない社会の形成、すなわち憲法9条の実現である。そのために、GSOMIAの国会不承認を強く要求する。

GSOMIAはいらない!GSOMIAに風穴を!

2007年5月3日    核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
          [連絡先](TEL・FAX)03-5711-6478
               (E-mail)kojis@agate.plala.or.jp
                http://www.geocities.jp/nomd_campaign/


【抗議・要請先】

久間章生[防衛大臣]  (FAX)03-3502-5058 ※ 抗議を!
太田昭宏[公明党代表] (FAX)03-3592-1019 ※「国会不承認を!」
小沢一郎[民主党代表] (FAX)03-3503-0096 ※「国会不承認を!」

2007年5月5日(土)更新