【報告】ミサイル防衛(MD)日米共同
実験の中止を求める声明


●ご報告が遅れました。先日(3月1日〜5日)賛同を呼びかけましたMD実験中止要求声明に対して、多くの個人・団体よりご賛同をいただきました(賛同一覧参照)。本当にありがとうございました。実験の中止を求める声明は3月8日(水)早朝に、また3月9日(木)朝[日本時間]の実験強行を受けて、一部表現を改めたものを抗議声明(下記)として3月9日夕方に、それぞれ首相官邸、米大使館、三菱重工、及び各政党、報道関係者などにファックスにて送付しました。

●報道によれば、三菱重工が担当・開発した「ノーズコーン」(ミサイル先端部分を摩擦熱から保護する覆い)が、くす玉のように二つに割れて分離し、その性能が確認されたとのこと。同時に迎撃ミサイルを誘導する「イージス艦ミサイル防衛システム」の性能確認も行なわれたようです。

 ノーズコーンの試作品を取り付けたSM3ミサイルを発射した米イージス巡洋艦レイクエリーに、自衛隊の担当者が乗り込み実験を見守った様子を、当日の「報道ステーション」(テレビ朝日系)が伝えていました。

●日本製部品を組み込んだ次世代型SM3ミサイルは、2014年度までの開発完了、2015年度からの生産開始が目指されています。また、日本政府は従来型SM3ミサイルを2007年度末にも海上自衛隊のイージス艦に配備しようとしています。それに先立ち今年後半にはSM3ミサイルを搭載した米イージス巡洋艦「シャイロー」の横須賀配備も計画されています。そして、SM3ミサイルの実験は年内にまだ数回行なわれるようです。

●3月15日付朝日は1面トップで、自民党の宇宙開発特別委員会が「宇宙の平和利用原則」の廃止を「宇宙活動推進法(仮)」制定の形で行なう方針を決めたと伝えました。また、米イージス艦などの機密性の高い中枢部品を日本の軍需産業が修理することに道を開く、「軍事秘密一般保全協定」(GSOMIA=ジーソミア)の日米間での締結も狙われています。これらに対する反対の取り組みも大きな課題です。

 私たちは今後もしぶとく「MDにNO!」の声を発信していきます。

 ☆ 核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
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       (「キャンペーン」と付記してください)

●「ミサイル防衛日米共同迎撃実験の中止を求める声明」に賛同します

■個人賛同:180人(順不同・敬称略)
相内勝也(エコロジスト)/アイリーン・美緒子・スミス(環境ジャーナリスト)/青木裕一/ 青柳行信(カトリック福岡正義と平和協議会)/赤羽真理子/浅田明(Freelance Mathematician)/あさのはじめ(反戦・平和アクション編集委員会)/安達由起/阿部太郎(教員)/天野理(団体職員)/安楽知子(会社員)/飯田晋彌(明風)/池田五律(戦争に協力しないさせない練馬アクション)/池谷武生/石丸朗/泉貴久(高校教員)泉谷享輔/市川宏 /市邨繁和/井上澄夫(市民の意見30の会・東京)/井上敏子/井上森(立川自衛隊監視テント村)/岩畑正行(水と森と平和の声・代表)/遠藤洋一(福生市議)/オゥノミチオ/大河原礼三/大河内雅子(農業)/大久保紀晴/大富亮(チェチェンニュース発行人)/大西一平(立川自衛隊監視テント村)/大畑豊(非暴力平和隊・日本)/尾形皆子/加来健一/梶川彩/梶川凉子/梶野宏(派兵チェック編集委員会)/加藤和博/加藤剛(日本ジャーナリスト会議会員)/金子豊貴男(相模原市議会議員)/金田宣紀/神谷扶左子/河内謙策(弁護士)/川崎哲(ピースボート共同代表)/川村肇(獨協大学外国語学部教員)/岸本正人(東京平和委員会・事務局長)/北川泰弘/北島由紀子(医福連)/北野桂(Re-anger代表)/ 宜保幸男(沖縄平和民主教育懇談会)/金信明(高校教員)/金朋央(在日コリアン青年連合) 木村厚子/木村正人(早稲田大学助手)/京極紀子/黒須俊隆(大網白里町議会議員)/郡島恒昭(靖国参拝違憲「福岡判決」を活かす会代表)/小瀬木弘昭/小西誠(米兵・自衛官人権ホットライン)/古藤加奈(オーストラリア在住)/小林一朗(みどりのテーブル・共同代表)/ 小林収/小林洋一/小林葉子(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)/小山広明(大阪府泉南市議会議員)/近藤ゆり子/紺野茂樹(東京大学大学院生・日本学術振興会特別研究員)/ 西塔文子(広島市在住)/桜井大子/笹井均/佐藤修三(池袋野宿者と共に歩む会)/柴山恭子(愛知県)/志茂美栄子(市民意見広告運動)/白鳥紀一(物理学者)/新郷大三郎(全国一般長崎連帯支部長船労組・副委員長)/菅谷琢磨(自主・平和・民主のための広範な国民連合・東京事務局長)/杉原浩司/鈴木成和/鈴木道昭(ピースアクション浜松)/攝津正(「芸音ホール」代表)/大長一郎(名古屋 劇団名芸)/大道魯参(僧侶、大学教授)/高瀬芳(主婦)/高橋秀典(神戸ラブ&ピース共同代表)/竹内好美/橘優子(会社員)/伊達純(グローバリゼーションを問う広島ネットワーク)/田中優(日本国際ボランティアセンター理事)/田邊康孝/谷川尚哉/谷英樹/玉置克彦/玉置啓子(ピースライブインこうち)/玉田真知子(玉田翻訳オフィス代表)/田守順子(戦争に反対する中野共同行動)/津村洋(ジャマルさんを支援する会)/豊島幸一郎/寺尾光身(名古屋工業大学名誉教授)/寺尾浩次(平和憲法を広める狛江連絡会)/寺尾安子(平和憲法を広める狛江連絡会)/土井桂子/鴇田昭裕(医療・福祉の戦争協力に反対する連絡会議)/ 戸倉信一(日本民間教育研究団体連絡会世話人)/富山洋子/豊田幸治(アジア共同行動−九州・山口実行委員会)/仲晃生(うさちゃん騎士団:広報)/中桐康介(釜ヶ崎パトロールの会)/中島悦子/中地弘志/中西剛史(平和の井戸端会議・作家)/中村ひで子(Japanese for Peace)/中村泰子/中森圭子(戦争反対・平和の白いリボン神奈川)/中山美伸/ 西光之輔/西牧衛/野上慶一(自営業)/野木裕子(フリージャーナリスト)/のぐち英一郎(鹿児島市議)/野崎常夫(長野東信医療生協常任理事)/野田恵子/野田峯雄(ジャーナリスト)/野村修身(工学博士)/花沢正純/浜口かつみ(京都市)/林磨利子/久松重光(翻訳家)/秀村冠一(京都女子大学教員)/平山克彦(地方公務員)/弘田しずえ(カトリック正義と平和協議会)/藤井克彦(ソーシャルワーカー)/藤岡惇(立命館大学経済学部教授)/ 藤巻祐規/藤本幸宣/藤原寿和(東京都環境局職員)/二見孝一(みどりのテーブル)/ 舟越耿一(ピースバス長崎代表)/舟橋憲秀(市民)/細木悟/堀口邦子/前田進/益岡賢(東京東チモール協会)/松谷務/松田一樹(非正規労働者)/松原秀臣/松宮光興/松本宣崇(環瀬戸内海会議・事務局長)/水垣奈津子(グループ 武器をつくるな!売るな!)/水砂順(核廃絶紅天狗)/三井伸雄/三井公子/水野浩重/三ッ橋トキ子/美野武三(地球人)/宮岡進一郎/宮川準(ピースチョイス連絡会)/三宅征子(専門学校講師)/宮島正和/三好永作(九州大学大学院教授)/校條均(獣医師)/武藤邦芳(自営業)/村上光子(不戦へのネットワーク)/森岡清/森岡侑子/森一敏(金沢市)/森崎典子(不戦ネット)/柳田真(たんぽぽ舎・副代表)/山本信彦(会社員)/山本英夫(派兵チェック編集委員会)/山本みはぎ(不戦へのネットワーク)/横原由紀夫(広島県原水禁・元事務局長)/吉川竹明/吉水公一(「子どもと教科書兵庫県ネット21」事務局次長)/和田喜太郎(関西共同行動)/渡辺健樹(日韓民衆連帯全国ネットワーク)/渡辺さと子(香川県議会議員)/(他6人)

■団体賛同:31団体(順不同)
アジア平和連合(APA)ジャパン/アジア連帯講座/新しい反安保行動をつくる実行委員会(第10期)/Webサイト反戦・平和アクション編集委員会/核のごみキャンペーン・中部/ 核廃絶紅天狗/上小地区労働組合連合/9条の会・おおがき/グループ 武器をつくるな!売るな!/国連・憲法問題研究会/斜里九条の会/人民の力/全野党と市民の共闘会議/立川自衛隊監視テント村/都労連交流会/日韓民衆連帯全国ネットワーク/日本キリスト教協議会(NCC)平和・核問題委員会/NO!AWACSの会浜松/派兵チェック編集委員会/ピース・チェーン・リアクション/非核市民宣言運動・ヨコスカ/広島瀬戸内新聞/不戦へのネットワーク/ プルトニウム・アクション・ヒロシマ/平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声/水と森と平和の声/みどりのテーブル/明治大学駿台文学会/有事法制反対ピースアクション/許すな!憲法改悪 市民連絡会/ヨコスカ平和船団/

【抗議声明】
先制攻撃を支援し、軍拡競争を促進し、
宇宙の兵器化につながる次世代ミサイル防衛の
日米共同迎撃実験に抗議します

 3月9日朝、ハワイ・カウアイ島沖で、昨年末に日米共同開発が決定された次世代のミサイル防衛(MD)用海上配備型迎撃ミサイルSM3の初の日米共同迎撃実験が強行されました。米イージス巡洋艦レイクエリーがSM3ミサイルを発射したこの実験は、三菱重工が開発した、ミサイル先端部分を保護する覆いである「ノーズコーン」の空中分離などの性能確認が目的とされました。「第2段ロケットモーター」も、日本のIHIエアロスペース製の採用が決まっています。これらの部品輸出こそが、武器輸出禁止3原則の緩和を招いたのです。

 米レイセオンなども含めて、日米軍需産業にとっては今後のMD利権の確保に直結する実験でした。新SM3は第3国への輸出を見すえたビッグ・プロジェクトであり、軍産複合体にとって極めて有望な「金の成る」ミサイルとなっています。

 この実験1回にかかった費用は100億円にのぼると言われ、日本側負担だけでも62億円に達しました。当面日本が36発の購入を予定する現行のSM3でさえ、1発約20億円、総額約720億円にも及ぶ巨額であり、新SM3が更に高額となることは必至です。

 日本政府が「純粋に防御的」と強弁するMDの本質は、相手ミサイルを無力化することにより、反撃の心配なく核兵器をも含めた先制攻撃を可能にすることにあります。MDは、空母戦闘群や潜水艦などの戦力を太平洋にシフトし、即応能力を強化しつつある米軍にとって、その先制攻撃戦略の重要かつ不可欠のパーツなのです。

 既に日本列島は、「米軍再編」=日米同盟変革の中でMDの最前線と化しつつあります。横須賀はMDイージス艦の一大出撃拠点となり、横田には日米共同戦闘司令部の設置がもくろまれ、青森の空自車力分屯基地には米国土防衛のためのXバンドレーダーが設置されようとしています。日米両軍の情報ネットワークを直結させ、共同軍事作戦を現実化するMDは、集団的自衛権の行使をもたらす憲法違反のシステムに他なりません。

 MDにより既に中国、ロシアなどへの軍拡の連鎖が始まっています。MDは、米国による宇宙への兵器配備=「宇宙の兵器化」にさえつながる極めて危険な構想です。東北アジアをはじめ世界に緊張をもたらし、「スパイラル(らせん状)開発」の名のもとに軍産複合体に半永久的な利権をもたらすMDは、人々の安全を脅かす無用の長物です。

 私たちはその実用化へのステップとなる今回の迎撃実験の強行に強く抗議します。日米共同開発を白紙撤回し、計画自体の抜本的見直しとMD構想そのものの放棄を要求します。さらに、参加企業に対して、MD開発からの撤退を求めます。真の安全は、兵器の増強ではなく、粘り強く信頼関係を構築し地域の軍縮を達成する市民・自治体・政府による多元的な外交によってのみもたらされることを確信します。

 2006年3月9日
 「ミサイル防衛日米共同迎撃実験の中止を求める声明」賛同者一同

<呼びかけ>核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
   [連絡先](TEL)03-5711-6478   東京都大田区西蒲田6-5-15-7


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