☆次世代ミサイル防衛(MD)の
日米共同迎撃実験(3月9日頃、ハワイ沖)に
反対しよう!

 3月9日頃、ハワイ・カウアイ島沖で、日米共同開発を決定した次世代の海上配備型迎撃ミサイルSM3の初の日米共同迎撃実験が強行されようとしています(2月20日、共同通信)。米イージス巡洋艦レイクエリーが新SM3ミサイルを発射します。この実験は、三菱重工が開発した「ノーズコーン」というミサイル先端部分を保護する覆いの空中分離などの性能確認を目的とするものです。これらの部品輸出こそが、武器輸出禁止三原則の緩和をもたらしたのです。「第2段ロケットモーター」を担当するIHIエアロスペースも含め、日本の軍需産業にとっては今後のMD利権の確保に直結する実験と言えます。新SM3はレイセオンなどの米巨大軍需産業も含めて、軍産複合体にとって極めて有望な「金の成る」ミサイルとなっています。

 この実験1回にかかる費用は100億円にのぼると言われ、日本側負担だけで62億円もの金額です。当面日本政府が36発の購入を予定するSM3(旧型)でさえ、1発約20億円。総額約720億円に達するものです。

 MDは「米軍再編」=日米同盟変革のカンフル剤であり、日米両軍の一体化のシンボルでもあります。米軍による先制攻撃の敷居を低め、軍拡競争を誘発し、宇宙軍拡に直結し、軍産複合体を喜ばせるMDは、「百害あって一利なし」の兵器システムです。迎撃実験は中止されるべきです。

 私たちは、MDの日米共同開発の撤回と迎撃実験の中止を求める声明を作り、広く賛同を募ったうえで、日米両政府と三菱重工などに提出する予定です。近々呼びかけますので、その際にはぜひご協力をお願いします。また、それぞれで意志表示されることも呼びかけます。

<要請先>
アメリカ大使館 (FAX)03-3505-1862
首相官邸    (FAX)03-3581-3883
三菱重工    (FAX)03-6716-5800

※以下は、さる2月19日に浜松基地に提出した要請書です。

【要請書】 浜松基地司令様

先制攻撃態勢づくりに加担する
浜松基地へのPAC3ミサイル配備の中止を求めます

 日本列島は今、米国の「ミサイル防衛」(MD)という名の攻撃的軍事システム構築の格好の実験場とされつつあります。日本政府が「純粋に防御的」と強弁するMDの本質は、相手ミサイルを無力化することにより、自らの攻撃力を万能のものとすることにあります。米軍は、発表された国防計画の見直し(QDR)に見られるように、中国をにらんで空母戦闘群と潜水艦を太平洋にシフトし、即応能力を強化しようとしています。また、現在進められている「米軍再編=日米同盟変革」により、自衛隊は米軍による世界大の「対テロ戦争」ネットワークに統合されつつあります。

 MDはこうした動きのシンボルであるとともに、それを推進する「カンフル剤」としても機能しています。MDを通して米軍と自衛隊の情報ネットワークは直結され、横田基地には日米共同戦闘司令部が設置されようとしています。これらが憲法で禁じられた集団的自衛権の行使をもたらすことは言うまでもありません。また、青森県の航空自衛隊車力分屯基地には米国土向けミサイルを迎撃するための最新型早期警戒レーダーであるXバンドレーダーが半年以内にも配備されようとしています。これは日本をまさしく「米国の盾」と化すものであり、MDの狙いを端的に示すものです。

 今や日本政府は、かつて表明した「主体的運用」との建前さえ公然とかなぐり捨て、米国のMD戦略に積極的に加担しています。3月にはハワイ沖で、日米共同開発を決定した次世代の海上配備型迎撃ミサイルSM3の初の日米共同迎撃実験が強行されようとしています。そして、2006年度末にも配備が開始されようとしているパトリオットPAC3ミサイルは日本のMD導入の先駆けとなるものです。PAC3は1発5億から9億円にの ぼると言われ、ライセンス生産する三菱重工に巨額の軍事利権をもたらします。MD開発は日米軍需産業に莫大な利益を提供する軍事的公共事業そのものです。

 迎撃の精度自体が極めて疑わしいMDとは、結局のところ「反撃されても大丈夫」と人心を操作する「安心偽装システム」であり、そのことにより米軍の先制攻撃の敷居を低める効果をもたらすものに他なりません。MD導入と引き換えに私たちは、武器輸出禁止三原則、宇宙の平和利用原則、集団的自衛権の不行使原則、文民統制など憲法9条のもとで形づくられてきた原則の多くを失うことになるのです。さらに、米国のMD構想がその 延長線上に宇宙兵器の配備と宇宙の戦場化をも辞さぬものである以上、日本の積極的加担の罪はあまりにも重いと言わざるを得ません。

 浜松を、東北アジアの緊張を高め、住民をむしろ危険にさらすことになるMDの拠点とすることは許されません。私たちは浜松基地へのPAC3ミサイル配備の撤回とMD計画自体の中止を強く求めます。私たちの安全は、兵器の増強ではなく、粘り強く信頼関係を構築する外交の力、言葉の力と地域の軍縮によってこそもたらされると確信します。

  2006年2月19日  核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
             (TEL・FAX)03-5711-6478


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