横田基地へのミサイル防衛
「日米統合共同作戦センター」
設置反対の要請書



 杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン2005)です。

 一週間前のものですが、「6・19横田基地行動」の際に米軍横田基地のゲート前で読み上げ、置いてきた(基地側は受け取りも対応も拒否)要請書(「新しい反安保実」と「キャンペーン2005」の連名)です。

 当日帰宅後、RIMPEACE編集部の「追跡!在日米軍」ホームページを見て、17日(金)に横須賀にMD対応イージス駆逐艦「ステザム」が配備されたことを知りました。私の見る限り、東京の一般紙、テレビでは扱ってはいなかったように思います(神奈川版には載ったのでは・・・)。

 9月には「ラッセン」が配備予定。入間など四か所の基地、さらには府中へのパトリオットPAC3の配備、横田への日米統合共同作戦センター設置など、首都圏のMDシフトが見えてきました。ちなみに、弾道ミサイルを追尾する新型地上レーダー「FPS-XX」(通称:ガメラレーダー)は、大湊(青森県)、佐渡(新潟県)、下甑島(鹿児島県)、与座岳(沖縄県)の4か所に2008年度から毎年1基ずつ配備予定(5月16日、産経)とのこと。新潟や舞鶴など日本海(東海)側のイージス艦寄港地も含め、MD網にいかに穴を開けていくか、各地の皆さんとの具体的な連携を探っていきたいと思っています。
             杉原浩司    kojis@agate.plala.or.jp

※以下、転載・転送・紹介を歓迎します。


[要請書]在日米軍横田基地司令様

横田基地へのミサイル防衛
「日米統合共同作戦センター」
設置に反対します

 今、日本を「ミサイルの脅威」という妖怪が徘徊している。妖怪は時に応じて核のマントをはおり、人々を最上級の恐怖で支配する。「攻撃される日本」という久々の体験をまるで願望するかのように、マスメディアが恐怖絵図をねつ造する。

 恐怖の土壌にまかれた「防衛」印のミサイルの種は、軍産複合体によって強力な化学肥料を施され、好戦的な政治権力による手厚い保護を受けて成長を続け、発射までもう一歩のところまで来た。

 昔も今も「被害者としての日本」像が人々の精神を拘束し、道理も論理も裏付けも必要もない戦争システムの導入にた易く道を開いている。「ミサイル防衛(MD)」という名の魔法の杖が、予想以上のスピードと規模で現実の風景を塗り替えつつある。

 米ブッシュ政権によるMD構想とは、遥か遠い宇宙を見すえた人類史上未曾有の壮大な戦争プロジェクト。それは、宇宙に兵器を配備し、宇宙の戦場化さえ辞さない天空のユニラテラリズム(一国主義)。それは、相手国の兵器を無力化し、万能の侵略マシーンへと進化するための未体験アドベンチャー。さらには、まるで軍産複合体に不老不死を約束するかのような巨大な利権増殖システム。

 そして、「MD有志連合」の最優等生として模範演技を続ける日本政府は、MDを契機に悲願の日米共同作戦の発動へとアクセルを踏み込んだ。府中基地にある航空総隊司令部を移転させて設置されようとしている米軍横田基地の「日米統合共同作戦センター」こそ、戦後初の公然たる共同戦争司令部そのものだ。その任務は、自衛隊の武力行使を制限してきた憲法九条の規範力の解体を促進し、自衛隊を檻から解き放つ最初の合鍵となること。

 既に、6月14日にはMD共同作戦を遂行するための法的整備=「文民統制」破壊の自衛隊法改悪案が衆議院を通過した。MDを補助装置とする先制攻撃戦争のための法、武器、計画、そして基地が着々と整備されつつある。

 私たちは、「純粋な防衛」「攻撃される日本」という虚像を引き剥がさなければならない。自らの姿を鏡に映し出すことが、妖怪の魔の手を逃れる第一歩になるだろう。米軍のトマホークをはじめとする最強の攻撃ミサイルに加えて、日本もJDAM(GPS精密誘導爆弾)を皮切りに先制攻撃兵器の導入に舵を切った。史上最強の攻撃力=矛とMDという盾を兼ね備えた日米イージス艦隊を前方配備することが、武力による威かくと挑発でなくて何だろう。MDの本質は、「純粋な攻撃」と「攻撃する日本」のための露払いに他ならない。

 「ミサイル防衛ではなくミサイル軍縮を」。MDが加速させる軍拡の連鎖を断ち切るために、今こそ、死語と化したかのような「軍縮」というアプローチが復権され、最優先されなければならない。
 私たちは強く要求する。ミサイル防衛計画の中止を。横田基地への統合共同作戦センター設置の撤回を。そして、横田をはじめとする全ての米軍基地、自衛隊基地の完全撤去を。

2005年6月19日

核とミサイル防衛にNO!キャンペーン2005
                [大田区西蒲田6-5-15-7]
新しい反安保行動をつくる実行委員会(第9期)
                [千代田区三崎町3-1-18近江ビル4F]


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