ストップ ミサイル防衛(MD)!
ヨコスカ海上行動の報告


●史上最強・最悪の軍艦=MD対応イージス艦がうようよ!
●先制攻撃の大出撃拠点をこのまま放置してよいのでしょうか!?


 さる9月4日、照りつける日差しの中、非核市民宣言運動・ヨコスカとヨコスカ平和船団が主催した「MD反対、ラッセン配備反対」の海上抗議行動に参加してきました。

 横須賀を母港とするイージス駆逐艦は、カーティス・ウィルバー、ジョン・S・マケインに加えて、昨年9月にフィッツジェラルドが、今年6月にステザムが配備されました。そして、この9月2日には「STOP MD」の横断幕を掲げたヨコスカ平和船団のボートが抗議する中、ラッセンが新たに配備されました。これら5隻の最新鋭イージス駆逐艦は、全て日本海(東海)でのMD任務を担うものであり、既に北海道・奥尻島西方を「MD作戦区域」に設定して、作戦訓練を実施しています。

 モーターボート、ヨット、ゴムボートには18人が乗船、乗り切れない参加者の激励を受けて出港。この日、横須賀基地には平和船団を待っていたかのようにイージス艦が勢ぞろい。右からジョン・S・マケイン、チャンセラーズビル、ステザム、カーティス・ウィルバー、ジョン・ポール・ジョーンズ(母港サンディエゴ)、ラッセンとずらりと並んでいました。自衛隊基地にはイージス艦きりしまが見えました。

 MDというと「防衛」のイメージに騙されがちですが、忘れてならないのは、イージス艦は何よりも先制攻撃マシーンだということです。イラク戦争でも、横須賀を母港とする巡洋艦カウペンスと駆逐艦マケインが開戦時にトマホークミサイル計70発を撃ち込みました。横須賀には全体で200基を超えるトマホークが、中国や北朝鮮を標的に発射態勢に置かれています。矛と盾を兼ね備えた史上最強の血塗られた戦争機械であるイージス艦をのうのうと「思いやり予算」までつぎ込んで「歓待」している日本は、明確に加害列島そのものです。

 平和船団は、なんと海の基地区域の中を堂々と動き回れます。その理由は侵略戦争の反省から生まれた「港湾法」。港湾管理権が自治体に委ねられているため、米軍の独占的使用は許されません。海上行動は憲法9条の平和主義と日米安保=在日米軍とのせめぎ合いの「現場」そのものです。抗議船は米軍の保安距離48メートルまで、自衛隊は保安距離がないためすぐそばまで接近できます。平和船団は日米イージス艦のそばで、MD反対をマイクで訴えかけました。

(平和船団は、ほぼ毎月最後の日曜日に海上抗議行動を展開しています。ぜひ一度乗船されることをお薦めします。)

※横須賀基地当直司令に手渡された要望書を資料として付けています。

   杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン2005)
        kojis@agate.plala.or.jp

[参考]当日の抗議風景の写真が載っています。ぜひご覧ください!

●「ヨコスカ平和船団」ホームページ
http://homepage1.nifty.com/heiwasendan/

●「追跡!在日米軍」ホームページ
http://www.rimpeace.or.jp/
<4日の写真と説明のページ>
http://www.rimpeace.or.jp/jrp/umi/yokosuka/050904heiwasendan.html

[資料]
在日米海軍司令官様
米第7艦隊司令官様
                  2005年9月4日
                   STOP MD横須賀海上行動参加者一同
                    ヨコスカ平和船団
                     横須賀市本町3-14 山本ビル2F
                      TEL/FAX 046-825-0157

横須賀へのイージス駆逐艦の配備に抗議し、
日本海でのMD任務の中止を求める要望書


 アメリカが主導し、日本・イギリス・オーストラリアが参加するMD(ミサイル防衛)は、徐々にその姿を見せ始めている。とりわけ米海軍艦船の海外母港が置かれる横須賀で、その動きは顕著だ。

 横須賀を母港とする、イージス駆逐艦「カーティス・ウィルバー」、「J・S・マッケーン」、「フィッツジェラルド」に加えて、05年6月には「ステザム」、9月2日には「ラッセン」が新たに横須賀を母港とし、日本海でのMDの任務に就く。アメリカが05年末までに配備を予定しているMD対応のイージス艦10隻のうち、5隻が横須賀に集中することになる。

 アメリカは北朝鮮の核やミサイルの脅威を言い、MD配備の最前線を日本海につくりだそうとしているが、配備されるイージス艦の性能を考えれば、この計画が防御的なものであるとの説明を鵜呑みにすることはできない。湾岸戦争でも、イラク戦争でも、横須賀を母港とするイージス艦が先制攻撃のためにトマホークミサイルを発射した事実を、私たちは忘れてはいない。

 また、MDの本当の狙いが「アメリカの中国包囲戦略のカギとなる戦力として位置付けられる」(Bruce Gagnon、「世界」05.7月)ことは、多くの専門家が指摘するところであり、新たな軍拡競争を招く恐れを、私たちは心配する。

 日本への影響も無視できない。日本政府は03年の12月にMDへの参加を閣議決定した。自衛隊イージス艦4隻にレーダーとSM3ミサイルを搭載し、地上レーダー網の設置とPAC3ミサイル配備を決め、2011年をめどに準備が進んでいる。費用は1兆円。日本のMD参加によって、アメリカとの軍事的一体化はさらに深まり、集団的自衛権の行使へと道を開くことが懸念される。

 また、MD配備の過程で進行するミサイルの共同研究や技術の提供によって、武器輸出の禁止が破られていくことも大きな問題だ。

 こうした日本の平和主義の原則をいくつも踏みつぶしながら進行するMDが、アジア・太平洋の人達に不安感を抱かせ、この地域に軍事的緊張をもたらすことは明らかだろう。

 横須賀のイージス艦の日本海でのMD任務に伴い、日本海沿岸の民間港を戦略拠点として使うことにも、私たちは強く抗議する。日本海を平和な海にするための市民や自治体の取り組みが存在し、環日本海自治体外交が盛んなこの地に、イージス艦を配備することは、こうした努力をまったく無視した暴挙と言わざるを得ない。

 また、日米間で協議が行われている米軍再編問題では、米艦船の民間港寄港について、有事を想定したより積極的な使い方が話し合われ、港湾管理者の意向を無視した「優先使用」が検討されている(読売新聞、05年4月9日)。8月29日、「カーティス・ウィルバー」が新潟東港に寄港したが、友好親善の衣の下にかくされたこうした危険な狙いを知る新潟市民は抗議の声をあげた。私たちの思いも、平和を求める新潟市民と共にある。

 カナダ政府は市民の平和活動に支えられて、05年の2月、「脅威に対抗するためには武力も辞さない」とするブッシュの姿勢に反対し、MDへの不参加を決めた。私たちもカナダの市民運動に学びながらMDに反対の声を、さらに大きくしていきたい。

●イージス駆逐艦の横須賀母港反対!  ●「ラッセン」の横須賀母港抗議!
●日本海でのMD任務を中止せよ!
●自衛隊はアメリカのMD計画に組み込まれるな!
●米軍艦は民間港へ寄港するな!


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