【抗議声明】

「G8=ギャング8」会議を利用した戦争訓練をやめ、
自衛隊の撤収を!














 戦争と環境破壊と貧困拡大と食糧危機の元凶である「主要国」の首脳らが集まり、傲慢にも「サミット」と称される会議を口実として、恐るべき軍事化が企てられている。防衛省・自衛隊は、7月7日から始まる「北海道洞爺湖サミット」の警備を名目として、陸海空の各自衛隊による前例のない異常な軍事展開を行いつつある。

「テロ対処」名目で創設した陸自・中央即応集団の化学防護隊、第1ヘリコプター団等の初投入、昨年12月にハワイ沖で約60億円をかけて迎撃実験を行い、弾道ミサイル迎撃能力(SM3ミサイルを搭載)を持つとされる「こんごう」(佐世保基地所属)を含む2隻のイージス艦と護衛艦約10隻の派遣、対航空機・巡航ミサイル用の迎撃ミサイルPAC2の配備、浜松基地所属の空中警戒管制機(AWACS)とE2C早期警戒機による24時間態勢の空中警戒などに加えて、F15、F2の各2機の戦闘機による会場上空の旋回警戒飛行(CAP)さえもが強行されようとしている。首都圏を中心に各自衛隊駐屯地の警備も強化され、「司令塔」となる防衛省地下の作戦室には、通常より5割増の50人の職員が詰めるという。

 これにより、自衛隊は事実上「G8防衛軍」という恥ずべき姿をさらすことになる。戦争マニアの石破茂防衛相による指揮官気取りの「戦争ごっこ」の本質は、臨戦態勢の予行演習ではないだろうか。とりわけ中央即応集団とイージス艦「こんごう」の初派兵には重大な意味があるだろう。中央即応集団が担うとされる「対テロ」軍事作戦が国内治安出動という危険な側面を持つことが明確に示された。また、こんごうの実戦配備以降初の展開は、配備区域から見てもまさしく対北朝鮮を想定したミサイル防衛の軍事演習そのものだ。

 今回の軍事展開の法的根拠に関する問い合わせに対して、防衛省広報は、「自衛隊法第8条に基づく防衛大臣による通常の警戒監視の一般命令によるもの」としたうえで、「妨害しようとする勢力に漏えいするとまずいので、命令の具体的内容は公表できない」と述べた。命令の内容はおろか、軍事展開を命じる根拠となる情勢判断さえも一切示さないままに軍隊を動かすことは、「シビリアン・コントロール(文民統制)」原則に対する重大な挑戦に他ならない。少なくとも、ロシア、中国の首脳が参加し、米朝関係の外交的改善が進行する最中で、弾道ミサイルによる攻撃などあり得ないはずだ。

 軍事展開は、「環境サミット」の欺まん性をも象徴している。例えば、戦闘機1機は自動車約1万台分の二酸化炭素を排出する。莫大な燃料を消費する1隻1400億円に及ぶイージス艦などの展開も含めて、今や軍事展開は石油の大量浪費以外の何物でもない。サミット会場上空を、二酸化炭素をまき散らしながら戦闘機が旋回する。この会議の、地球と人間に対する暴力性をこれほど明瞭に示す構図もないだろう。

 暴力の元凶たちによる被害から守られなければならないのは、私たちの方だ。自衛隊は今すぐ撤収せよ。警察は過剰警備と不当弾圧をやめよ。G8は解散せよ。

2008年7月6日  核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
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