反MDブリュッセル・デモに連帯メッセージ!














 ヨーロッパではEU議会開催にあたり、今期(半年)議長国であるチェコへの米国のミサイル防衛用Xバンドレーダー導入問題が、市民活動家及び自治体首長連盟の活発な反対運動によりクローズアップされています。日本時間の2月18日遅く、現地時間の同日正午、ブリュッセルのEU議会前でデモが行われ、世界各地からの連帯メッセージが読まれました。

 その連帯メッセージの求めに、日本の幾つかの地域の、反MD、反PAC3、反基地などのグループが連名して、一本の合同メッセージを出しました。併せて、青森県車力に配備された米軍Xバンドレーダー(チェコに計画されているものとタイプは異なります)についての情報も送りました。メッセージは、デモ終了後の18日夜、チェコのサイトに掲載(英文)されました。(注:日の丸は余計ですが…)

http://www.nenasili.cz/en/3101_solidarity-message-from-japanese-citizens

 EU議会前で行われたMD基地反対の「透明人間たち」によるデモなどの様子が豊富な写真とともにレポートされていますので、ぜひご覧ください。

http://nenasili.cz/en/3097_18th-february-news-from-bruxelles-and-other-cities

http://nenasili.cz/en/3107_meps-mayors-and-the-nonviolent-movement-rejects-star-wars-in-europe

 なお、チェコへのMDレーダー基地建設に反対する国際オンライン署名運動が継続されています。まだ署名されていない方はぜひどうぞ。

 署名サイト → http://www.nonviolence.cz/

※ページの冒頭が署名欄です。右側の署名者数の欄をクリックすると署名キャンペーンのサイトが開きます。

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【連帯メッセージ】

「ミサイル防衛」と「スターウォーズ計画」に反対するヨーロッパの皆さんへ


 私達は、日本で反MD、反基地の運動に平和的方法でそれぞれ献身している、幾つかの市民グループです。米国の東欧へのミサイル防衛基地建設に反対する皆さんに、日本から連帯のあいさつを送ります。チェコ市長連盟を先頭に発展する皆さんの闘いを、多くの米軍基地が存在する日本から、羨望のまなざしで見つめています。同時に強く勇気づけられてもいて、そのことに感謝します。

 日本政府は2003年12月にミサイル防衛導入を決定し、配備を加速させてきました。米国も日本にミサイル防衛システムを次々と配備しています。2006年6月には青森県つがる市車力(しゃりき)地区に、米軍の移動式Xバンドレーダーが世界で初めて配備されました。2008年9月のイスラエルへの配備はこれに次ぐものです。

 レーダーは、北朝鮮からハワイに向かう弾道ミサイルの探知を目的としており、日本列島を米国防衛のための盾とするものです。そして、イラクでの戦争犯罪で悪名高い民間軍事会社である「ブラックウォーター社」が警備を担当しています。

 レーダー配備によって、日本で初めて無期限の「飛行制限区域」が設けられました。この特別な要求は、1つの軍事施設のためにだけ行われたのですが、それもまた初めてのことでした。既に、海難事故の捜索が妨げられる事態さえ起こっています。

 日本政府は、イージス艦搭載迎撃ミサイルである能力向上型SM3(スタンダードミサイル3)の米国との共同開発を進めるなど、米国のミサイル防衛に深く加担しています。SM3ミサイルは、米軍が横須賀基地所属のイージス艦5隻に配備、海上自衛隊が現在2隻、将来は計4隻のイージス艦に配備します。PAC3ミサイルは、現在米軍が沖縄・嘉手納基地に、航空自衛隊は首都圏など5基地に配備し、将来は全国の計11基地に配備します。

 私達が大いに懸念するところですが、このSM3共同開発と、PAC3のライセンス生産を通して、日米の軍需産業が一体化し、日本版「軍産複合体」が台頭しています。同時にミサイル防衛は、戦争放棄と軍隊不保持を規定した憲法9条に基づく武器輸出禁止や宇宙の平和利用などの平和原則を骨抜きにしています。

 日米政府の政治宣伝とは反対に、ミサイル防衛は、相手の反撃を無力化することで先制攻撃をし易くする「先制攻撃促進装置」であり、北東アジアにおける軍備増強の連鎖を引き起こしています。

 しかし私達は、ただこれを看過しているわけにはいきません。日本では地上配備型迎撃ミサイルPAC3(パトリオット3)の配備地域を中心に、反対運動が広がっています。4月には韓国・ソウルで「宇宙への兵器と原子力の配備に反対する地球ネットワーク」の国際会議が、韓国委員会の主催で行われます。冷戦構造が未だに残る北東アジアを非核・非ミサイル地帯に変えるための意義深いステップになると思われます。日米によるMDシステムに反対する韓国の人達と、日本で同じ気持ちでいる市民の協力が始まりつつあります。

 日本でも、世界でも、経済危機の中で貧困が広がっています。軍事費にかける予算を、貧困解消や環境保護などに振り向けるべき時です。私達に一番必要なのは、ミサイル防衛ではなく、ミサイル軍縮です。

 私たちはチェコをはじめとするヨーロッパや世界の反戦運動と連帯して、日本のミサイル防衛からの撤退に向けて努力を続けます。ミサイル防衛もミサイル攻撃もない世界に向けて、共にがんばりましょう。

(署名団体)
核とミサイル防衛にNO!キャンペーン/東京
平和の声・行動ネットワーク/埼玉
パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会/千葉
ヨコスカ平和船団/神奈川
非核市民宣言運動・ヨコスカ/神奈川
NO!AWACSの会浜松/静岡
不戦へのネットワーク/愛知
市民運動ネットワーク長崎/長崎
築城基地への訓練移転・日米共用化・海兵隊基地化に反対する会/福岡

(日本時間2月17日夜にヨーロッパへ送信:英文)

http://www.nenasili.cz/en/3101_solidarity-message-from-japanese-citizens

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【資料】
1.メッセージを求めるメール 2.ブリュッセルでのデモのお知らせ
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1)ローマよりのメール(Europe for Peace)(2009年2月2日)
   <関連部分のみ抜粋>

友人の皆さん

 オバマ大統領が明確な態度をとることへの期待で、ヨーロッパでのいわゆる「スペース・シールド」の実現に関しては今後不確かであろうという空気があります。それでも、私達は運動を続けていて、今日に至るまで、チェコ共和国は、米国との協定を批准できずにいます。皆さんからのご支援に感謝いたします。

 ブリュッセルで2009年2月18日にEU議会で1つの会議があり、これに様々なEU議員とチェコ共和国の20名の地方自治体首長、反レーダー同盟メンバー、「ヨーロッパ・フォー・ピース」のジョルジュ・シュルツ、「チェコ反基地ヒューマニスト」のヤン・タマス、そしてヨーロッパ各国からの代表が集います。

 ベルギー各地の市町村長も、ブリュッセルでの、このデモンストレーション開始セレモニーに参加し、またチェコ共和国への連帯を表明する多くのイタリアの市町村長からの支援メッセージも、その場で手渡されます。

 このデモンストレーションは「透明人間たち」と呼ばれるでしょう、なぜなら、米国のレーダー基地に反対する、チェコ国民の70%は、メディアの目に映らないからです、ちょうど様々な戦争に反対する、世界人口の95%がメディアに見えないのと同じように。

 以下はプラハですでに行われたデモンストレーションのビデオです。

http://www.europeforpeace.eu/news.php?id=1036&country=

(略)

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2)「宇宙への兵器と原子力の配備に反対するグローバルネットワーク」 よりのメール

130人の市町村長が米国のミサイル防衛に抗議(2009/2/18)
”チェコ共和国とポーランド:
 ヨーロッパを分裂させる、トロイの木馬となるか?”(Gerardo Femina)

 レーダーに反対する市町村長連盟に所属する、チェコ共和国の自治体首長たちと非暴力運動の活動家たちは、バスでブリュッセルに出かけ、そこで水曜日にEU議会の議員たちに会い、「スター・ウォーズ」計画への抗議を行います。彼らは論争の的である、米国のミサイル防衛の、チェコとポーランドへの拡張についての公聴会に招かれたのです。ブリュッセル滞在中に、彼らは数人のEU議員、ベルギーの上院議員、そしてEU議会の副議長である、Luisa Morgantiniと会います。さらに彼らは、EU議会の建物の外で催される、レーダー反対市民集会にも参加します。

 これら数十人のチェコの市町村長に同行して、ヨーロッパ大陸じゅうから市民がやってきますが、当初40名を招く計画だったのが、今では、ブリュッセルまで今一泊二日で130名が参加する旅になっています。これらの自治体首長は、チェコの市町村長のうち、この「スター・ウォーズ」計画に公然と反対する合計130名の首長を代表する一行です。この旅はまた、合計14の地域行政府(regional government)の首長のうちの13名から、そして他のヨーロッパ諸国の自治体首長からも支持されています。世論調査が示すように、チェコ国民の70%もまた、この計画に反対です。

「ベルリンの壁の崩壊後、米国が旧社会主義諸国に対し急いでNATOへの扉を開いたのは、偶然ではありません。そうすることで、米国はこれらの国の軍事的・政治的指導者を、自分達の目的に近づけるように訓練することができたのです。」

「2009年の始め、これらの『トロイの木馬』のひとつであるチェコ共和国が、EU議会の議長国となった、まさにその理由で、我々はEU議会の中心地で抗議を行おうとしています。そして我々は、(スター・ウォーズ計画という)この根本的な問題に関し、EU議会に態度をはっきりさせるように求めます」と、ヨーロッパ・フォー・ピースの、ジョルジオ・シュルツは語りました。

(*デモのスケジュールについては省略)

 この抗議デモを支援して、ヨーロッパじゅうの多くの人々により、マドリッド、コペンハーゲン、ベルリン、ローマ、パラレモ、フローレンス、ミラノ、チューリン、ブダペスト、ブエノス・アイレスで抗議イベントがブリュッセルと同時に行われます。多くの国際的な団体もこれを支援しています、メイヤー・フォー・ピース、パックス・クリスティ・インターナショナル、ワールド・ウィズアウト・ウォー、ヨーロッパ・フォー・ピースなどです。