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【報告】2・3利権まみれのMDとPAC3「移動展開訓練」
に反対する防衛省デモ!〜雪にも右翼にも負けず〜













 さる2月3日、雪と寒さと「右翼」の妨害にも負けず、PAC3ミサイルの「移動展開訓練」の中止と「ミサイル防衛」からの撤退を求める防衛省デモを敢行しました。朝から「雪ですが予定通りデモはやるのですか?」との問い合わせが相次ぎました。「週刊金曜日で見た」という方も。
 無情にも降りしきる雪に加えて、出発地点の市ヶ谷外濠公園そばには右翼団体の街宣車が乗りつけ、大音量で口汚い中傷を行っていました(その後も何度かデモコースに侵入し妨害行為)。

 雪の中、都内のみならず、埼玉、千葉、神奈川、茨城など各地から集まった参加者は約60人(どこかの軍需企業と違い水増し発表はありません)。
 デモ出発前に簡単に集会。1月30日未明に武山基地へのPAC3配備が強行されたばかりの横須賀から「ヨコスカ平和船団」、千葉で粘り強い反対運動を繰り広げてきた「パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会」、最初のPAC3配備地入間で活動してきた「平和の声・行動ネットワーク(入間)」、都心への「移動展開訓練」に反対して東京都交渉などを行ってきた「戦争協力させない東京ネットワーク」、取組みに協力している福士敬子都議スタッフの方、「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」と順に発言を受けた後、いざデモに出発。「先制攻撃に道ひらくPAC3配備反対」「STOP! MD」などの横断幕を先頭に、防衛省へ向かいました。

 デモ隊は「軍拡競争をもたらすミサイル防衛反対!」「宇宙軍拡につながるミサイル防衛反対!」「公園でミサイル訓練をするな!」そして「防衛省も自衛隊もいらない!」などの声を響かせながら防衛省正門前に到着。
 ここで「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」(別掲)、「パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会」「市民ネットワーク千葉県」と計3通の石破茂防衛大臣あて要請書をそれぞれ読み上げ、松尾篤(あつし)防衛事務官に手渡しました。

 解散地点の三栄公園では、関西共同行動、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、霞ヶ浦基地へのPAC3配備に反対する茨城の仲間から発言を受けました。最後に、展開候補地となっている公園や駐屯地のある自治体(防衛省と都により情報封鎖される)への働きかけを強めることなどを確認。シュプレヒコールを挙げて行動を締めくくりました。
 マスメディアの取材が少なかった(ロイター通信社等のみ)のは残念でしたが、その分報告と呼びかけを横に広げていきたいと思います。
 当日参加された皆さん、本当にお疲れさまでした。

 2月5日、石原都知事は防衛省で開かれた「防衛医学セミナー」で講演し、PAC3の展開先について「まず皇居前でやりなさい。皇居を守り、(近くに)日本の経済中枢があるわけだから。あそこで装備を見せることで国民の自覚、危機感が出てくる」と語ったそうです(時事通信)。さらに、防衛省に対し「目立つようにやってくれ」と全面協力する方針を伝えたことも明らかにしました。「防衛は国と都の専管事項」?! 岩国と同様に、問われているのはここでも自治です。改めて、防衛省と東京都への抗議を呼びかけます。石破にも石原にも負けずに頑張っていきましょう。

  • 矢野一郎

  •  (東京都総務局 総合防災部 企画調整担当副参事 国民保護担当)
      →[FAX]03-5388-1260  [TEL]03-5388-2549

       東京都あてのメールは koe@metro.tokyo.jp まで

  • 石破茂(防衛大臣)

  •   →[FAX]03-3502-5174  [TEL]03-3508-7525

  • 渡邉隆浩

  •  (防衛省運用企画局 事態対処課)
      →[TEL]03-3268-3111 (内線)20512

  • 中間秀彦

  •  (防衛省防衛政策局 防衛計画課 計画第3班長)
      →[FAX]03-5229-2143  [TEL]03-3268-3111(内線)20417
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【要請書】防衛大臣 石破茂様
●迎撃ミサイルPAC3の「移動展開訓練」を中止し、PAC3を撤去せよ!
●「利権まみれの偽装兵器」であるミサイル防衛から撤退せよ!


 「防衛大臣」というより「軍事大臣」とでも呼ぶ方がふさわしいあなたは、今頃暖かい部屋の中で雪でも眺めながら、兵器のプラモデルでも作っているのでしょうか。
 あなたが導入の立役者となった「ミサイル防衛」(MD)という名の最新兵器が、着実にこの日本の軍事システムに定着しつつあります。それは「軍隊不保持」と「交戦権の否認」を明文化した戦争放棄の憲法9条が決定的に侵食されるプロセスでもあります。
 その意味で、1月14日深夜から翌朝にかけて強行された新宿御苑におけるパトリオット3(PAC3)ミサイルの都心への「移動展開訓練」は、歴史を画するものでした。首都のど真ん中で実戦を想定した軍事訓練が公然と開始されたからです。しかも、防衛省はマスコミに事前公表しないよう要請するなどの情報封鎖を行い、防衛省から知らされた東京都もその指示に従い情報を隠ぺいしました。その本質において「軍事独裁政権」と見まがうような手法がまかり通ったことに、私たちは強く抗議します。
 そもそもPAC3による人口密集地への展開と「迎撃」は、およそ非現実的と言わざるを得ないものです。
  1. 強力なレーダー波=電磁波による通信環境や人体への影響が明らかにされない

  2. 都立公園の軍事使用は都市公園法や都立公園条例に抵触する

  3. 迎撃実験が国外でしか行えないように、ミサイル発射時の爆風が周辺に被害をもたらす

  4. 発射時に出る有毒ガスの成分が明らかにされない

  5. 誤射の可能性が排除できず、落下による深刻な被害が予想される

  6. ミサイル積載車両の通過により地下水道管等の破損の恐れがある

  7. 公園利用者の排除や近隣住民の監視などの人権侵害が行われる

 防衛省はこうした懸念に対して「部隊運用に関わるから」「円滑な訓練実施のため」等を口実に情報隠しを続けています。
 石破さん、あなたには責任者として全ての危惧に明確に答え、住民を納得させる義務と責任があります。それができないなら、今すぐ「移動展開訓練」の計画を撤回すべきです。
 私たちは、兵器を住民の生活圏に侵入させ、存在を誇示するかのようなこの軍事訓練は、MDや自衛隊の存在の正当化を狙うものだと見ています。
 この間、隠されてきた軍需利権の深い闇にようやく光が当たり、MDがその最大の本丸であることも明らかになりつつあります。しかし、昨年から今年にかけ相次いだ習志野や武山(年度末までに霞ヶ浦へも)へのPAC3配備やハワイ沖でのイージス艦「こんごう」による迎撃実験の強行に見られるように、MD配備のスピードは衰えていません。背後に控える日米の「軍産複合体」の強い意志の表れでしょう。
 私たちは、「利権まみれの偽装兵器」とも言うべきMDからの撤退を強く要求し、「移動展開訓練」の即時中止とミサイルの撤去を求めます。
2008年2月3日   核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
             [連絡先]東京都大田区西蒲田6-5-15-7
              (TEL・FAX)03-5711-6478
              (E-mail)kojis@agate.plala.or.jp
               http://www.geocities.jp/nomd_campaign/


2008年3月4日(火)更新